みなさまへ
タクミカメラのホームページをご覧にいただきまして、誠にありがとうございます。
タクミカメラは昭和22年創業、私たち夫婦で3代目となる、名古屋市中区丸の内にある小さな写真屋です。
2012年2月に店を引き継ぎ、”写真を愉しく撮ることから見返すことカタチに残すこと”までお手伝いできればと、写真にまつわる愉しいことを模索する毎日です。
写真を撮ったら町の写真屋さんで同時プリント!が当たり前だったフィルム全盛期のくそ忙しい写真屋に育った私は、引継いだ店のお客さんの少なさと、デジタルカメラやスマホで撮った写真をプリントする人の少なさに驚き…
「写真とは…?」
「写真屋さんってホントに必要なの?」
と、写真屋の存在意義を求めて、悶々とすること数年。
そんな中、2014年6月のフォトNEXTで写真家の浅田政志さんから、素敵なお話を伺ったので、ご紹介させていただきます。
東日本大震災の後、瓦礫としてCDやDVDが散乱する中、
なぜか写真だけは束にまとめられ、ゴミとは分けて置かれてあったと。
自衛隊の方、地元の方、ボランティアの方が、「写真は大切なもの」
としてゴミの中から拾い集めておられた。その写真の束を見つけた方が、”この写真をきれいにして持ち主の方に
戻さないと”と、写真救済ボランティア活動が始まり、地元の方、
ボランティアの方が、持ち主の元へ写真を戻すため、泥や海水で汚れた
写真を1枚1枚やさしく丁寧に水の中で洗い、重ならないように、
体育館いっぱいに、洗濯ばさみで干して乾かし続けたとのこと。1枚の写真が持ち主の元に戻ったとき、
持ち主の方々は本当に本当に喜ばれた。たった1枚でも、その1枚の写真が持つ力の大きさは、
とてつもなく大きい。今世の中はデジタル化が進み、写真を撮る人は増えている。
シャッターを切る回数は過去最大に増えている。
でも、”撮るだけ”でプリントしない人も増えている。現に被災地で救われた写真は、ほとんどがフィルム時代のプリントばかり。
最近のデジタルプリントは見当たらなかった。
デジタル写真はデータのまま、CDやDVDの中に入ったまま、
今もなお瓦礫の中にゴミとして埋もれている。持ち主の元に返された写真はプリントしてあったからこそ救われ、
持ち主の元で大きな大きな力を引き出した。写真が持つ力を最大限にするには
“プリントすること”
“カタチに残すこと”写真を見たくなるときはどんな時か?
人生の節目、大切なものを失った時…そういう時に写真の持つ力は最大になる。
思い出を想い返すにはどうしたらよいか?
写真は撮って終わるのではなく、
プリントして後で見るから意味をなすんだということ。
思い出を写真というカタチに残しておくことの大切さ。
浅田さんのお話を伺って、町の写真屋の存在意味を再確認し、写真屋の現状は非常に厳しいものがあるのですが、できるところまでとにかく続けてみよう!と思った次第です。
これからも、写真の持つ力を最大限にするお手伝いを続けられたらとの想いで、皆さまのものとに写真がもたらすハッピーが増えることを願っております。
写真を通して皆さまとご一緒に愉しい時間が過ごせますように!
応援よろしくお願いいたします!
皆さまのご来店を心よりお待ちしております。
タクミカメラ 鈴木慎二&貴美子