最近いろんな方と写真についてお話する機会があり…
写真屋のバトンを引継いでから、ずっと、ずっと、ず~っと疑問に思い、考え続けていたことに、大きな気づきがありました。
私の疑問…それは…
「なんでみんなプリントしないんだろう?」ってこと。
タクミカメラは私の実家で、私が小さい頃の店はお客さんがいない時間はないというか、「もう来ないで~」と言いたくなるくらい、ひっきりなしにお客さんがいて、機械がずっとうるさく回ってて…晩御飯もいつ食べれるのやら?父と母はいつ寝てるんだろう?みたいな、それはそれはブラックな店でした(笑)。
でも、店を継いで5年になりますが、最初の1年、いや数日で、本当にお客さんが来ないというか、プリントする人の少なさに驚愕w( ̄Д ̄;)w
で、どうしてプリントしないのかいろんな人に聞いてみたところ…
だって、撮ったらすぐに見れるでしょ(デジタルカメラの液晶画面)。
スマホだったらすっすって、いつでもどこでも見れるでしょって。
だよね!だよね!そうだよね!デジタルだもんね。
お金かけてプリントしなくても、簡単に見れちゃうもんね~!
写真屋さんの自虐的発想ではなく、一個人の母親として最初は本当にそうだなと思い、店主のスーさんと「パパうちは大通りに面してて、立地もいいんだし、このデジタル時代に不向きな写真屋なんかやめて、違うこと始めない?」なんて話までしながら、引継いだ当初は写真屋の存在意義が見出せないまま、写真屋店を蛇足的にやっておりました(^^;)
そんな中、写真業界のこれからを考えるPHOTO NEXT2014に参加して、写真家の浅田政志さんのトークインベントで「家族写真とプリントの大切さ」のお話を聞き、「銀写真プリントの大切さ」を改めて再確認することができ、同時に写真屋の存在意義を見つけられたような気がしてました。
写真が持つ力を最大限にするには”プリントすること””カタチに残すこと”
写真を見たくなるときは…
人生の節目、大切なものを失った時…
そういう時に写真の持つ力は最大になる。
思い出を想い返すにはどうしたらよいか?
写真は撮って終わるのではなく、プリントして後で見るから意味をなすんだということ。思い出を写真というカタチに残しておくことの大切さ。
これを私たち写真に携わっている者が、ひとりひとりにしっかり伝えていかないといけないということを再認識できた瞬間でした。
この浅田さんの話を聞いて、私のじいちゃんが始めたタクミカメラを、この場所で、可能な限り写真屋「DPショップ」にこだわり続けていこうと、腹が据わったというか、写真文化ってステキだなと素直に思えたというか、写真屋ってステキな仕事なんだと気づけた瞬間でした。
そこから、私の写真に対する気持ちが変わり、アルバムカフェ活動にも気合が入り、撮ることからカタチに残すことまで、トータルに伝えられる人になるためにと、ハッピフォトアンバサダーを受け、プリントの大切さをしっかり伝えてくれるアルバム大使さんを世の中に送り出す側にならないと!との思いでアルバム大使マスター講師を取り、2015年から月に1度アルバム大使養成講座を開催し続けているのですが…
この後、しばらくして、また疑問がむくむくと湧いてきだし…
写真が持つ力を最大限にするには、いつでも手にとって見られるようにするために”プリントすること” しばらくしてからも見返せるように”カタチに残すこと”ってことは、十分十分分かっているし、アルバムを作ることも、写真を飾ることも、贈ることも、プリントに繋がるすべてのことが、子どもたちや家族や友人にとって、とってもプラスの現象が起こるってことも分かっている。めっちゃ分かっている。分かってるんだけど、だけど、大量のデータを前に、やはり重たい腰が上がらない人が沢山いるんだということ。アルバム作りを続けられない人が沢山いるんだという現状に悶々としだし…
写真屋を引継いだ最初の疑問「どうしてみんなプリントしないんだろう?」に舞い戻ってしまった自分がおり。。。
これがデジタル時代のいたしかないことなのか…
こうやって、写真文化は違ったカタチになっていくのかな…
写真屋さんは衰退せざるを得ないのかな…と。
そんなことを悶々と漠然と考えている最中、「おもいでばこ」の開発に携わっておられる方と度々お話する機会があり、この私の中の「もやっ」と感を、「スッキリ!」に変えてくれる、気づきがあったんです!
プリントすることが良さそうだぞってことは分かってる、でもプリントすること事体のハードルを上げているのが、デジタル画像を保存しているメデイアだったり、パソコンだったりするんじゃないかと。デジタルカメラはPCとセットじゃないと片手落ちみたいなところがあるし、スマホも
大切なデータを失いたくないからクラウドに!なんて思っちゃったりして、パソコンやクラウドとやらがあるがゆえ、みんな大事な写真データをしまい込んでしまうようになったんじゃないかと。
写真の本来あるべき姿は、しまい込むものではなく、昔みたいに撮ったらすぐ見るものなんじゃないかと。
すぐ見るためのかかせないもの、必要なものが、フィルム時代は現像とプリントをしてくれる「写真屋」だったんだと。
でも今はそこがパソコンやメディアになってしまっているから、「すぐに見る」「一緒に見る」ではなくて、「しまい込む」しかなくなってしまったのではないかと。
スマホでなら「すぐに見れる」じゃない?って思われる方もいると思うけど、「見た気になる」だけじゃないかと。本気で見たと思えるなら、データが消える怖さなんてなくなるんじゃないかと。たくさん撮ってるのにしっかり見てないと分かってるから、みんなデータが消えることを恐れるんじゃないかと。
このジレンマを埋めてくれるものが、「おもいでばこ」なんじゃないかと。
注) 何?「おもいでばこ」って?と疑問に思った方は、すぐにタクミカメラにご連絡を
「おもいでばこ」があれば、撮った写真を家族みんなで、テレビ画面で見れちゃう!かつ、簡単に、さくさくっと整理できちゃうんです!フィルム時代みたいに、現像プリントしてきた写真をポケットアルバムにさくさくっと入れて、みんなで見るみたいに!
いや、それ以上に便利で簡単な機能がたっくさんあるから、みんなで盛り上がれるし、整理したものを外部メディアに取り出すことも簡単!だからプリントも簡単!
となれば、自然と撮った写真はすぐに見て、とっておきの写真はいつでも見れるように飾りたい!贈りたい!アルバムにしたい!になるんじゃないかなと。
長々と書きました…
要するに写真の本来あるべき姿は、しまい込むものではなく、撮ったらすぐに見るもの、そしていつでも見れるようにカタチにすることだなぁと思った次第です。
「おもいでばこ」のご紹介は…また次のお愉しみに